実際に起こった海難事故にまつわる都市伝説です。

私が生まれる前の話ですが、三重県津市の海水浴場で、36名が水死するという惨劇がありました。
テレビや雑誌などで、多く取り上げられ、追悼番組だけではなく、心霊番組でも、取り上げられた事件です。
今回は、三重県の、『津海岸集団水難事件』について、まとめてみました。


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集団水難事件

あなたはこの事件知っていました?
恐らく、『津海岸集団水難事件』は、海水浴場における、戦後最大の水難事故ではないでしょうか・・・?

1955年7月28日、三重県津市にある、『中河原海岸』という海水浴場で、中学生が水泳の授業を行っていました。
そのうち、約100名の教諭と生徒が、同時に手足の自由を失い、49名が溺れてしまったのです!

13名の意識は戻りましたが、何と36名も女子生徒が水死するという、大惨事です。
この事件をきっかけに、県内の中学校に、プールを急いで設置していったというので、当時は、まだ学校にプールは無かったんですね。

それにしても、なんで100人もの生徒が、同時に溺れてしまうのか、不思議でなりません。
学校が水泳の授業を行う程の海水浴場なので、危険な流れなどは、あまり考えられないと思うんです。

中河原海岸

(三重県津市にある中河原海岸:写真参照:ウィキペディア)

事実、校長・教頭・体育主任が、刑事告訴されていますが、最終的には、原因を特定できず無罪になっています。
異常な流れが発生したのでは?とか、巨大なタンカーが沖合を航行し、波を起こしたのでは、など様々な検証が行われたようですが、結局、科学的根拠に基づく説明はできていません。

一度に100人もの人間が、普通同時に溺れますか・・・?
そこには恐ろしい事が起こっていたようなんです・・・

モンペ姿の亡霊

助け出された生徒の半数が、
『何者かに足を引っ張られた』
と、証言しています。

しかも、陸から見学していた複数の生徒も、何者かが、水の中に友達を引きずり込んでいる様を、目撃しているのです!
極めつけが、週刊誌『女性自身』に掲載された、助け出された、女子生徒の手記の概要です。

一緒に泳いでいた同級生が、私の腕を掴んで

『あれを見て!』
といい、そちらを見ると20~30m先で、同級生たちが、次々と水の中へ消えていくのが見えました。

黒い塊が水面をひらひらと泳いで、私たちの方に、押し寄せてきました。
それは、ぐっしょり濡れた防災頭巾をかぶり、モンペを履いた、何十人もの女の姿でした。

『その集団』は、次々と同級生達を、海の中へ引きずり込んでいき、ついに私も海中へ引き込まれてしまいました
ものすごい力で、水中へ引っ張られていく中、私の足にまとわりつく、防災頭巾をかぶった、無表情な真っ白な顔を、はっきりと見ました。

彼女は、助けられた後も、海水を飲みすぎ、肺炎を併発してしまい、20日も入院していたそうです。

その時、
『亡霊が来る!亡霊が来る!』
と、うなされていたと言います。

手記には、腰まで水につかり、釣りをしていた人が、突然何かに引っ張られるように、海の中へ入っていき、遺体も上がらないという事件が、その後4年間も続いたとあります。

ある助け出された男性は、『亡霊を見た』とうなされ、その後意識不明のまま、亡くなっているそうです。

この海岸は、これ以外にも不可解は事故が相次ぎ、現在は海水浴場であるにも関わらず、遊泳禁止になっています。
これが都市伝説となるには、さらに裏があったんです・・・


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戦争による虐殺

過去の記録や、当時の手記などによると、終戦の年の3月から7月に、大小合わせて7回米軍による空襲が津市を襲いました。
その爆弾の量を聞いてうんざりしました。

聞いたことがあると思いますが、『焼夷弾』という爆弾を、36個詰め込んだ親爆弾が、2,919発投下されたとされているんです。
焼夷弾が何個になると思います?
36個×2,919発=105,084発・・・

B29による空爆なので、日本軍が幾ら高射砲を撃っても、全く成果は出なかったでしょう。

死者344人、負傷者246人、行方不明者38人、全焼9000戸強、羅災個数10,000戸。
今の戦争では考えられないですよね。
軍の施設とか、軍需工場とか、全く関係なく空爆ですからね。

本当に、なんとも悲惨な戦争だったんだなと改めて思います。

空爆

(写真参照:ウィキペディア)

でも、なんでいきなり戦争の話をしたかというと、空爆の日付にあります。
最後の空爆は、1945年7月28日
事件のちょうど10年前の日付なんです・・・

この空爆で、大量に殺されてしまった市民に遺体は、たちまち膨れ上がり、処理に困った市の当局が、海岸の砂浜に大半を埋めたらしい・・・

この亡くなった方々の亡霊が、ずっと彷徨い続けているのかもしれませんね。

まとめ

『手が出てきて引きずり込まれた』
という、海水浴場にまつわる都市伝説や、怪談は良く耳にしますよね。
この話のもとは、もしかしたら、この事件の事かもしれません。

戦後10年。かなり古い事件と都市伝説ですが、何か考えさせられるものがあります。
本当に、この話を知った時の衝撃は大きかったです。
この事件に遭われた方や関係者の皆様には、心からお悔やみを申し上げます。

海の事故は毎年絶えませんが、悲しむ人が無くなるよう祈っています。