富士山の登山が初めてとか夏の渋滞を知っていると、山開き前の、5月とか6月に登りに行けるんじゃないかって思いますよね^^;

私も夏の渋滞が嫌で、5月に富士山に登山できるか、チャレンジしようと思った事があります。
結果的に日が合わず、6月2日に登ってきました v( ̄ー ̄)v
ほぼ5月ですね。

ちなみにそれまでの私の富士登山は、7月1回、8月1回、9月1回の計3回。
山へ行くにしても、1,500m~2,000m級の、山のエキスパートからしたら、超ゆる~い山だけです。

雪山は、3回程1,500m級に登っている程度です。
だから、富士山も雪山も初心者じゃないけど、初心者に毛が生えた位ですかね?

多分、この記事を読んでくれているあなたは、恐らく私と同じくらいの登山レベルじゃないかな、と思います。
ベテランなら調べないし、危ない事は重々承知しているはず。
『ちょっと山登りしてみたから、時期をずらした富士山いけるかな?』位な感じですよね?

こんなレベルの私が、もしかしたら死ぬかもしれないと思い、写真もかなり取ってきたので、写真付きで富士山は5月(6月)に登山できるか、過酷だった体験談をお伝えしたいと思います ヾ(=^▽^=)ノ

もう一度本当にこの時期に行くのか行かないのか、しっかり検討してみてくださいね。


スポンサーリンク

富士山の5月・6月の富士山はこんなところ

世界遺産に登録された事で、登山に興味のなかった初心者の方が、数多く登るようになり、夏の渋滞がひどくなりましたよね?
富士山の登山渋滞知ってますよね?

富士山の山開きと登山者数

富士山が山開きしているのは7月と8月の2カ月だけ
この時期に約30万人の人が登るんです (≧◇≦)キャー
1日平均5,000人
多い日は、1日1万人を超える人が富士山へ大集合します。

D1000044.JPG

(8月の須走口から登った時)

『なんだ、そんなに行くなら楽勝じゃん!』
と思って、初富士登山では、スーツ着用で、2回目にはガチャピンの着ぐるみを着て行ったり。

この時期に登った時は、ちょっと舐めてました。
それでも、さすがに登山靴や防寒着など、装備は完璧にしていきましたよ。
なんでかって?

夏の富士山の山頂の気温は?

だって、この時期でも山頂の平均気温は、7月上旬で約4度、一番熱い8月中旬でも約6度です。
舐めて行ったら夏だって登れないですよ~

5月6月の富士山の山頂の平均気温は?

じゃあ、山開きする前に行っちゃおうかというと、6月の平均気温は約1度5月で約マイナス4度 ∑( ̄ロ ̄|||)マジ!?

平均気温ですからね。
『ご来光を見よう♪』なんて、夜にアタックして、山頂へ日の出前につくとなると、山頂はもっと寒い。

ざっくり3,700mとしても、100m登ると0.6度気温が下がるので、(理科でやりましたよね~)海抜0mと比べると22℃低い計算になり、麓の河口湖(海抜880m)と比べても17度下がります。

気象予報士の方によれば、富士山の山頂の気温に当たる平地を探すと、シベリアの北極圏あたりと同じだそうです (≧◇≦)エーーー!

富士山の風は南極の昭和基地以上?

体感温度で言うと、気温だけではなく、風でも下がる、って知ってますよね?
風速1mの風で1度下がると言います。
富士山の最大風速が10m以上の日は、年間平均310日以上、20mの日は120日以上と、3日に1日は20m以上の風が吹く (-。-;)

コレを調べて、絶対行かないと誓っていますが(笑)、真冬の富士山では、風速40mを超す日もざらだそうです。
大人でも簡単に吹き飛ばされますね ^^;
厳冬期の富士山の気温は、南極昭和基地と同等、風は昭和基地の平均6~7mに対して、富士山の厳冬期は15m。

富士山ハンパねぇ~ (|||ノ`□´)ノオオオォォォー!!

富士山の5月6月って残雪は?

シベリアだの昭和基地だの、色々出てきましたが、雪はどうなのか、って事ですが、4月~5月が一番雪が積もってます。

5月~6月になると、5合目まではほとんと雪は無いので、簡単に行けちゃいます。
でも、行ってみてみれば分かりますが、その上はすっぽり雪に覆われています

しかも、こんなに過酷な状況なのに、山小屋は空いていなく、自販機もない。
全て自分で持っていかなければならないし、完全に自己責任で行くしかないんです。

では、5月~6月に富士山へ行くとすると、どこまで装備が必要か
ここまで説明すれば何となく分かりますよね・・・?

5月・6月に富士登山に持って行った装備

早速ですが、実際に私が登った時の装備を、ご紹介しますね。

絶対必要な服装

  • 登山靴:春夏秋の3期用(低い雪山なら行ける程度)
     本当は冬用がベスト
  • 登山用ウェア上下:ゴアテックスにしてみた
     レインウェアにもなる防水のもの
  • ゴーグルまたはサングラス:スポーツサングラスを持参した
     無いと雪の照り返しがまぶしすぎる
  • 肌着:ヒートテックの上に、アンダーウェアをもう1枚
  • 着替え用の肌着:天候によっては汗をかく
     万が一汗をかき過ぎた時、そのまま放置するとかなりやばい
  • 防寒着:フリースやダウンなど
  • 靴下:厚手のスキー用を用意した
  • タイツ:長ズボンの下にもう1枚必要
  • 手袋:スキー用を持参した
     軍手は、夏でも岩を触る時の怪我防止にしかならない
     防寒機能も必須

ゴアテックスとは素材の事で、防水と透湿の両方の機能を持っているものです。
半端な事すると死ぬと思ったので、基本的に全部ゴアテックスにしました^^;

着る量は、歩き始めると汗をかいてくるので、肌着2枚+パーカーだけで、8合目くらいからウェアを着ました。
初めから厚着をすると、凄い汗をかきます。

調整が難しいので、念の為着替えは持って行った方が良いです。
汗をそのままにしておくと、どんどん熱を奪われて大変なことになります。

絶対必要な装備

  • リュック:防水用のリュックカバーも必要
  • アイゼン:12本爪と予備で4本爪を持参
     4本じゃ予備にもならなかった
  • ピッケル:一般縦走用
     無いと絶対無理
  • ストック:伸縮式2本
     途中まで雪が無いところで活躍する
  • ヘッドライト:予備電池も持参
     日が暮れた時無いと完全にアウト
  • 食糧:飲料水と非常食も
     山小屋も自販機もないから必要なものは全て持参

  • ビニール袋
  • タオル
  • ティッシュ:トイレットペーパーでも可

初めてピッケルを持っていきました。
ピッケルとは、小さい斧みたいな杖みたいなやつです。
アイゼンだけでは、9合目以降進めませんでした (|||ノ`□´)ノ
アイゼンとは、靴の底につける鉄の歯の滑り止めで、雪がある時は絶対に必要です。

そのアイゼンも、1,500m級の雪山の時は、4本爪で楽勝でした。
今回は、アイスバーンは無かったんですが、12本爪じゃないときつかったと思います。
最低10本は無いと不安ですね^^;

あったら安心の装備など

  • ワンバーナー:ガスもセットで
     夏でも寒さをしのぐ為にいつも持参している
  • コッヘル:お湯を沸かす時の鍋
     夏でも寒さをしのぐ為にいつも持参している
  • シュラフ:万が一の為に
     夏は山小屋も開いているので最悪何とかなる?
     マイナス22度まで対応できる冬用にした
  • 高度計
  • コンパス
  • 十徳ナイフ
  • 救急セット
  • 日焼け止め
  • ネックウォーマー:雪が出てきてから着用
     初めからしていると暑い
  • (ライト)スパッツ:これもゴアテックスにしてみた
     ブーツの履き口から雪や水、砂などが入らないようにするもの

シュラフを使わなければならないようになる前に、普通なら下山を選択した方が良いですよね。正直ただの荷物でした。お守りみたいなものでしょうか。

ただ、バーナーなどはあった方が良いかもしれません。
夏に行くときでも、山頂の余りの寒さに、毎回カップラーメンとかコーヒーで暖を取るはめになっています。
(夏の時は、雨が降ったりしてたのもありますが。)
もっと寒いなら、持って行った方が安心と言えば安心ですね^^


スポンサーリンク

実際登ったらこんな感じだった

では、実際どうだったのか、記録をたどっていきましょう!
写真は小さいですが、クリックすると大きくなります^^

この日は金曜日で、会社をずる休み(イヤイヤ普通に有給使ったけど)して、息子を保育園へ!
その後、家を出たのが8時半を過ぎてしまった!

東名高速御殿場ICから降りて、すぐ富士山へ!
晴れているのに、富士山の場所だけ雲で何も見えない・・・

NEC_0499

11時過ぎに到着
やっぱりガスが出ている5合目(2,400m)富士宮口(鹿がいた)。
このまま突っ込んでしまって良いのかちょっと迷う・・・

NEC_0501

山が閉まっている時は必ずある看板。
6合目までOKってあるし、とりあえず気にせず行っちゃえ!
1時間ほど高度順応の為、駐車場で昼飯を食べながら時間をつぶす。

NEC_0503

12:00に5合目を出発し、12:20頃順調に6合目(2,500m)に到着。
こんな看板あるけど、ここまでは雪はないし行けるんじゃね?と思う。

NEC_0504

6合目を出た直後、雲で上を見るとなんも見えんのに、だけ見えてしまった (ノд<。`)ャベー 超ガスってるしやっぱり雪あるよね^^;

NEC_0507

新7号目の手前で雪の塊が。
登山道を示すロープが埋まってきている・・・
でも、アイゼンはまだ付けず、新7号目(2,780m)に13:30に到着。

NEC_0511

新7号目を過ぎると、一旦雪は無くなる。
やっぱりまだアイゼンは必要なかった。
14:20頃、元祖七号目に到着。写真にある建物が元祖七号目(3,010m)

NEC_0518

8合目手前では、登山道がしっかり見える。
ただ、その上の9合目付近ではやっぱりガスっている。
不安だけど行けるだけ行こう。

NEC_0518

出発して3時間後、15:00過ぎに8合目(3,250m)に到着。

またガスの中に入ってきた。
7号目位までは風は無かったけど、上の方は風が出てきて、雲の流れが速い

ガスが出たり消えたり、目まぐるしく変わる。

NEC_0528

↑ の奥を左に曲がると、すぐそこはこんな感じ。
いよいよガチになってきた気がする・・・
取りあえず、30分位軽食休憩を取る事に^^

NEC_0529

8合目からは、さすがにアイゼンを装着して、9号目を目指す。
雪の量がかなり多く、登山道が出てきたり消えたりする。

迷子にならないよう、山小屋を目指して直登(登山道を無視して一直線に登る)する事にする。

NEC_0536

雪はシャーベットでかなり滑る
だがまだピッケルの出番はなく、ゆっくりゆっくり体を横向きにしながら登っていく。

5歩くらい歩いて、5秒休んでの繰り返し。
スゴイ辛くて、『ハァ、ハァ』行っているところへ、会社から電話

『今大丈夫ですか~、ちょっと聞きたい事あるんですけど~』
事務の子から電話・・・
勝手にやってくれよ、こっちは命かけてんのに! (。-`ω´-)

『何!ハァー、ハァー』斜面に這いつくばるようにして電話に出ると、『・・・何やっているんですか。なんか気持ち悪いんですけど・・・』

週明けぶっ飛ばす!
そんなこんなで、16:20頃に9合目(3,460m)到着。
この辺から、雪でペースが遅れてくる

NEC_0543

ここまでガスが出たり晴れたりしながらも、風はそれほどなく天候に本当に恵まれました。
9合目前後の天気は最高^^

NEC_0545

でも、ここでアクシデント
ここまでアイゼンがしっかりハマっている感触が無かったから、締め直すと片方大破
やむなく片方だけ予備の4本爪のアイゼンに・・・

アイゼンも不安だし、雪がすごくて、登山道は全く分からない状態。
それでも、9合5尺を目指して直登する。
ここからは、ピッケルを使わないともう登れない。
誰か歩いただろう足跡を使って、登るようにする。

慣れてないから、本当に怖い。
アイゼンは片方4本しかない。

頭をよぎる、『滑落』の二文字・・・
1歩歩いては滑る、1歩歩いては滑る・・・

ズルッ!ズルッ!
登り方あってんのかな?初心者1人で不安だらけ。

夏なら30分の距離を、倍の1時間かけて、17:30に9合5尺(3,590m)
屋根の先っちょしか見えない。
この雪で潰れないんだから、山小屋って丈夫なんだなって思った。

NEC_0548

山頂の鳥居が見えた!
もう日没まで時間がない!何とか行けるか!?

NEC_0551

でも、すぐにまたガスが出てくる!
山頂が見えなくなった!

しかもここからは、斜度が急にきつくなってくる
もはや直登は不可能。
山頂を見つめながら、ジグザグに登っていく。

NEC_0555

1時間かけて、3,700m付近までくる。
斜度がかなりきつい、時刻は18:30
しかもアイゼン片方4本爪・・・

NEC_0561

この先はもっと斜度がきつくなるし、このペースだとあと40~50分かかる。
どうする・・・もう、暗くなりかけてる・・・

この斜面でリュックからヘッドライトを取りだして、装着できるか
ヘッドライトつけながら、迷わないで下山できるか?

いや・・・無理だ・・・

リュックを下ろすのもこの斜面では無理。
下手に動けば数百メートルは滑落するだろう。
真っ暗になったら、登山道もないのに、山小屋も見えなくなり、目印が無い状態で下りたら遭難

仕方ないと、ここであきらめることに
あと数十メートルだったのに悔しい・・・

この後は早かった。
暗くなる前に、雪が無くなる8合目までは最低限行かないといけない。
そうしないと道が分からなくなるから。
雪の斜面を、駆け降りるように山小屋を目指して、一直線に降りていく。

ダダダダダァーーーー!

9合5尺、8合、元祖七合、あっという間に降りてきた。
途中9合目でヘッドライトを装着し、1時間半後の20:00には無事5合目まで下りてこれた。
あぁ~、生きててよかった。

まとめ

素人に毛が生えたような私のチャレンジはこんなものでした。
風も強風は無く、アイスバーンもなく、雨も降らず、コンディションは恐らく最高だったと思います。

シャーベット状の雪は滑って怖かったけど、何とかピッケルがあれば3点支持の恰好(両足とピッケル)で、這いつくばるようにすれば、何とか登れました。
朝からとか、もう少し早く登り始められれば、山頂まで行けたかもしれません。
でも、山で『たられば』はありません。

6合目までは何人か、他の登山者に会いました。
それを過ぎたら合計5人
8合目で最後の一人に会って、その後の雪があるところでは0人

平日だったからでしょうか。
それにしても、こんなもんです。

ただ、確実に言える事は、素人だとGW明けの5月なんて、到底無理

雨が降ったり、風が強かったらそれだけでも無理。
それくらい5月、6月の富士山は手ごわかったです。

もし、本当に行こうと思っているなら、私のように素人一人は絶対やめた方が良いです。
こういう時どうすればいいのか、という事が分からないので、最低、春富士登山経験者の同行が必要だと思いました。

あぁ、もう一度言っておこう。
生きててよかった・・・ ヾ(=^▽^=)ノ